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介護の現実を描きます。ITトピックスをお知らせします。旅と歴史を描いた私のHP「日本ぶらり歴史の旅」(英文もつくってあります)http://www.ab.auone-net.jp/~nut/にもぜひアクセスしてください。


by burari-skuri

悠一郎の介護メモ-7

幸子の元気な様子に安心する

12月5日(火)今日は幸子がショート・ステイ入りし、家族の外来診察日に当たるが、悠一郎と公子は連れ立ってM総合病院に行き、主治医のY先生に急な知らせだが、BP介護施設の特養への入居が決まった旨報告した。Y先生は「そうですか。それは良かったですね。いまの生田幸子さんの状態からいえば、もうご家庭での介護はムリな段階にきています。介護はプロに任したらいいですよ。」

 「なかには、介護をしなくなることで、自分を責めるご家族がいますが、ご家族は精神面でご家族だからできることやってあげたらいいですよ」と、喜んで下さった。今回は、5泊6日のショート・ステイ。今日は2週間分のクスリが出る。そのうちから金曜日までのクスリをBP介護施設に届けに行った。

 「お母さんは、どんなぐあいかな。下を向いて、眠ったりしていなければいいね」と、どきどきしながら悠一郎と公子が部屋へ入っていくと、お昼ごはんをたべていた幸子の目が二人を見つけて涙ぐみ、大喜びでナプキンを目に押し当てた。顔色も良い。微笑がなんとも言えず素晴らしい。「ああ良かった」。悠一郎と公子は、安心した。小柄な職員が、全介助で食べさせていた。

 ごく自然な雰囲気だ。ここでは、認知症の初期の人、重度の人、中期の人をグループうにして生活するユニット制をとっている。初期の人は、重度の人に優しく声をかけ、世話をしたりしてくれる。このことがおたがいに刺激になって、孤独感、不安感を払拭する。職員はごく自然に溶け込んで介護する。

 「これなら安心だ」。しばらくしてから、悠一郎と公子は、幸子にはわからないようにエレベーターに乗り、帰宅した。
 
by burari-skuri | 2006-12-05 21:00 | 介護・老い